裏表ガールも恋をする
「おー、結菜。お疲れー。」
『本当、めんどくさい。呼び出すなら他んときにしろっつーの。こんなんじゃ毎日楓と遊べない。』
私の言葉に、楓は驚いたように目を見開いて、そのあと優しく微笑んだ。
「私達は、帰ってから遊べんじゃん。」
『そりゃそーだけどさ。』
「ん、ありがと。なんか嬉しい。」
『…は!?なに言ってんの楓!変なもん食った!?』
「なにそれー。私をなんだと思ってんの!?」
相変わらずな会話だけど、これが楽しかったんだよねー。
中学なんてつまんない。なんて冷めてた私には、唯一の楽しみだったかも。