紅 き 瞳
重たいドアを開けると、夜だけあって中は先の見えないくらい真っ暗。
それでも、女の手を引き電気をつけないまま。
ギシギシと音を奏でながらも、一番奥にある寝室へと足を進めた。
5畳ほどの、小さなベッドがちょこんとある寝室に入った瞬間、俺は女をふかふかのベッドに押し倒した。
窓から入ってくる月明かりに照らされ、無防備に寝転ぶ女の首筋が白く光った。
香水の甘い香りが漂ってくるが、俺にとってそれは臭い物でしかない。
そんな女の首筋を、ソフトクリームを舐めるようにして何度も何度も往復する。
何度も何度も………。
女は感じているのか 甘い吐息を漏らす。
甘い吐息は、部屋の中に充満し……なんともいえない空間になってきた。
その吐息で俺の中のバンパイアが暴れ、もう理性を保つのも限界らしい…………。
そして俺は、女の傷1つない首筋に………………鋭い牙をたてた。