紅 き 瞳
―――――プツッ…
ゆっくりと、牙が首に埋まっていくのがわかる。
牙を刺したところからは、生ぬるい液体が口の中へ流れ込んできた。
さっきまで弱弱しい声で啼いていた女は、牙を刺した瞬間
さっきよりも大きく啼いた。
背中がしなり、えびぞりになった女の体を抱えるようにする。
女は、俺の髪の毛を鷲掴みにしうっとりしたような熱を持った目で、宙を見ている。
部屋の中は、女の血の匂いでいっぱいに……。
「あぁ、あっ……」
俺の牙は 深く女の首筋に刺さっている………。