紅 き 瞳
――――ジュルジュル…
女の暖かい血が 俺の体内に 流れこんでくる。
「あぁ、ダメ………」
最初は、小さく抵抗をしていたものの
体力がなくなってきたのか、だんだん女の力は弱くなっていく。
そして、体はぶるぶると震え出し、体温も徐々に低くなってきていた。
ここまでが限界か……。
このままでは、死んでしまうな………。
「ふぅ」
そう思った俺は、そっと女の首筋から牙を外した。
「あぁ……」
血を飲んでいた首筋には、2つの赤い傷………。
そこからは、深紅な血が溢れ出している。
女の顔色は、血を吸う前までの健康的な肌色とは違い、白い……というか青くなっていた。
まだ痛々しいその傷にそっと……口づけをした。
そして、静かに呟いた………。
「ごめんな」