紅 き 瞳
―――――ス……
女を起こさないように、静かに俺は立ち上がり 女を抱きかかえた。
……まったく、女っていうのは小さいな。
俺の腕の中にスッポリを収まってしまうような大きさ。
そんな女のでこにかかった髪の毛を左右にわけ、手をかざした。
お決まりの台詞を小さな声で唱えると、途端に女は淡い光に包まれた。
淡いオーシャンブルーの光は、丸い光となって女の体から離れていく……。
その最後の一粒が出て行くのを見届け、俺はアパートをでた。