紅 き 瞳
コツ コツ コツ コツ
誰も居ない夜道にヒールの音が響く。
「はぁー……。」
一日の疲れとストレスを吐き出すように、大きなため息をついた。
今日も部長に残業くらっちゃったわ。
道端に転がっていた小石を思いっきり蹴る。
スカートな為、あまりあげられなかった足。
だけど、部長への日頃の恨みのパワーのおかげで、小石は遠くまで飛んでいった。
小石は、先の真っ暗な道の方向へころころと……。
先の方を見た瞬間、体がブルッっと震えた。
こう見えて私……、夜道って苦手なのよね。