紅 き 瞳
しばらく歩いていくと、
――――ジャリッ…
小石の音と共に、人の気配を感じた。
だけど、その影は全然見えなくてまだ遠くにいるみたい。
最近、不審者がいるって噂だから気をつけないとね。
しかし、遠くにいると思っていたその人は、意外と近くに居た。
「………!?」
街灯の弱い光に照らされているのは、綺麗な顔だちの男の子。
何故か、悲しそうな瞳で私を見ている。
―――ジャリッ…
そして、また音がしたかと思うと
その男の子は私の目の前まで迫っていた………。