紅 き 瞳



――――ギィー…




ドアを閉めた男の子は、そのまま私の手を引いて部屋の中へ進んでいく。



床は古いせいでギシギシとしなった。



いやだ……。


いきたくない。



嫌な予感が頭の中を過ぎった。




一番奥の部屋は、決して広いとはいえない部屋だった。


5畳ほどしかないうえに、大きなベッドが置いてあるものだから


余計狭く感じてしまうのかもしれない。



さっきまで男の子…そう感じていた人は、もう男になっていた。



男は、ふかふかのベッドに優しく倒すと、まるで何かを舐めるように



暖かい舌が首筋を何度も往復した。



何度も何度も………。



ゾクゾクと背筋に何かが走り、自然と声が漏れた。



甘い吐息は、すぐに部屋を包み込んだ。



そして、男はその行為をやめると一度私の目を見て



それからゆっくりと首筋に近づけた。




――――ブツリッ



そんな音と共に、甘い痛みが体を覆った。




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