紅 き 瞳





女と俺の周りの空気だけピンを張り詰めた。



そんな馬鹿な。



俺の力が効いてないだと?






「気のせいですよ。こんな素敵な人の事……忘れるわけがありません」



そうだ…、気のせいだ。


俺の力はちゃんと効いている筈だ……。


効かなかった事なんて、一度も無いんだから。




「嘘よっ!!」



だけど、そんな演技もこの女には効果が無かった。


女は興奮して、叫んでいた。





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