紅 き 瞳
「とにかく場所を変えよう」
周りの野次馬が多くなってきた。
このままでは、人目を引きすぎる……。
そう思い、近くにあった喫茶店に入った。
女も同意見だったのか、俺の後を警戒しながら着いて来た。
「で?何か言いたそうな顔をしてるな」
出された水を口に運ぶ。
冷たい水は、心を冷やして穏やかにしてくれた。
女は、テーブルの端をジッと見つめしばらくすると、俺の方を見て
小さな声で呟いた。
バンパイア………。