紅 き 瞳
グッタリと眠っているような女を抱えて、会計を済ませた。
周りの客や店員は不思議そうにしていたが、気にする事もない。
店を出て、人目に付かないような暗くて狭い場所を見つけると
気配を消しながらそこに収まった。
そして、能力のせいで魂が抜けたようになっている女の首筋に
そっと顔を埋める。
フッ…………。
小さく息を吹きかけると、女の体がビクッっと反応を示した。
次に、首筋に舌を這わす。
女は以前のように甘い息を漏らし出す。
フッ……。
最初のころの威勢のよさはどこに行ってのやら。
首筋を舐めるのを辞めた。
そして、牙を突き刺した。