紅 き 瞳
「ブスッ」
聞きなれたそんな音と共に、牙が女の首筋に刺さった。
「あ……あぁ…」
最初、痛がっていた女は一種の快感に身をよじる。
俺は構わず血を飲み続ける。
「っく……はぁ」
女の声がダンダンと小さくなって来た。
体温もだんだん低くなっていく。
そろそろ潮時だな。
俺は女の首筋から牙を抜いた。
牙を抜かれた女はグッタリとうな垂れたまま。
俺は女のおでこに自分のおでこをつけてバンパイアの力を解放した。
これから一生 この女が俺の事を忘れてますように。