紅 き 瞳
安っぽいピンクの光に照らされた個室。
その部屋の真ん中には、人が3人程入れるベッドがポツンと置かれていた。
……俺は今、ホテルの一室に居る。
隣には気持ち良さそうに眠る……マノン。
普通に考えれば、つい先程までここで何があったかわかるだろう。
―――30分前―――
「……ぁ…ん…っ」
マノンの甘い声が部屋中の空気を震動させる。
「リョウ……はっ、好き…」
愛を並べるだけの、偽りの行為。
そんな言葉に、暖かさなんか微塵も感じない。
「……ん」
「やぁ…、んぅ…あぁぁ」
甲高い声を出したマノンは、深い眠りに入っていった。