紅 き 瞳
「もしかしてお前、リョウ?」
肩に置かれたものを不快に思い、しかめた顔で振り向くと、そこには見慣れた顔があった。
「シル?」
俺が覚えていたことが嬉しいのか、シルは柔らかく笑いながら首を縦に振った。
まったく………。
今日はよく同族に会うな。
シルは俺の……なんていうか、親友だ。
俺と同じで、キャバの黒服をしてるって話は聞いたことがあったが
こうやって会うのは久しぶりだと思う。
事実、人間界で会うのは初めてだしな。
もちろんシルは俺と同じバンパイアだ。