紅 き 瞳
帰ったときに見た郵便入れは、綺麗さっぱりで何も入っていなかった。
きっと、しらないうちに捨ててしまったのだろう。
そのため、詳しい内容は何もわからなかった。
あいにく、人間界にいるバンパイアたちの連絡先は知らないため、成す術が無い。
そんな時、頭の中に1つだけ考えが浮かんだ。
……しかたがない。
俺は、ポケットから黒いケータイを取り出した。
―――――ピッ
しばらく待つかと思いきや、すぐに持ち主は電話に出た。
「もしもし?」