紅 き 瞳





「リラ様は、お変わりありません……」



さっきまで淡々とした口調が、少しだけ変わった。




「そうか……」



俺の声のトーンも下がった。






リラは、俺の妹だ。


美しく、気高く、誰よりも優しい。


そんな自慢な妹だ。




しかし、リラは小さい頃から体が弱いため、一日中ベットにいる事はしばしば……。




死んだように眠る事もある。



俺の力をもってしても、どうしようにもならない事……。


まだ16のリラは分かっている。





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