紅 き 瞳
「お兄様……!!」
もう一度呼ばれたと思った直後、リラは俺の胸に飛び込んできていた。
「お兄様ぁ……」
震える小さな体を抱きしめると、弱いが反応が返ってくる。
そこでやっと、リラがここにいるって事が分かり、安堵のため息が出た。
「元気だったか?大きくなったな、最後に会ったのはもう3年も前だったかな」
サラサラの陽だまりのように暖かい光を放つ髪を撫でながらも、3年前のリラの姿を思い出していた。
……こんな穏やかな気持ちになれたのは久しぶりだ。
そんな事を思っていると、リラのオパール色の瞳が覗き込んできているのに気が付いた。
「ん……、どうした?」