紅 き 瞳
普通、こんな事を言われたら動揺するんだろうが、俺は全く動じない。
この目を見た物は いつも同じ事を言うからな。
これも、生まれながらにして持っているバンパイアの能力なんだ。
この能力のおかげで楽をする事は沢山あるのだが………。
こう何度も聞くと流石に嫌になって来る。
目の前の女は顔を赤らめ、潤んだ目で俺を見上げている。
その瞳はまるで「早く早く」と急かしているようだ。
こちらも、我慢の限界のようだな……今からデザートを頂くとするか。
俺は女の手を引いて、築何十年とも思われる古臭いアパートに連れ込んだ。