Peinture
8時30分。
カイは、もう学校に着いただろうか。
俺は、それだけが気がかりだった。
何て兄貴だ、と俺は自嘲する。
今日は、学校に行くつもりなんてない。
そもそも、3年生は全員もう受験が終わっている。
自由登校ってやつだ。
こんな時に、マジメに学校へ行っている奴なんてほとんどいない。
きっと今学校にいる3年は、超ガリ勉ヤローか、皆勤目指してる奴くらいだ。
ちなみに俺は、そのどちらでもない。
周りの奴らも、そんなもんだ。
さっきから、ずっと携帯が鳴りっぱなしだ。