友影
最高の友達
春の訪れ。桜の花びらが散る光景はいつ見ても感動する。
けど、今の私には桜の花びらなど眼中にない。
全力疾走でただただ間に合うことを頭の中で祈ってる。
ようやく見えてきた校舎。私が通う花園女子高等学校。
もうすぐホームルームがはじまる。
そろそろ喉が痛くなってきた。それを我慢してペースを落とすことなく静寂に満ちた生徒玄関で靴を履き替える。私以外の生徒は見当たらない。ヤバイ。
完全にヤバイ。
三年生の教室が一番上の4階にあるのが辛い。足は既にガクガクだ。それでもなんとか4階まで駆け上がる。そして、すぐさま自分が所属するD組のドアを勢いよく開ける。