友影
1時間目がはじまる前の休み時間。
「ひどいよ桜~。いくら私が遅刻してきたからって意見も聞かずに決めるなんて~」
私はさっきの件について桜に直接抗議した。しかし桜は、
「遅刻した梓が悪いのよ」
と、バッサリ切り捨てる。
私は何も言えなかった。
「ま、いいじゃない。貴重品係なんて、ただ物運ぶだけだし。それに梓ひとりじゃないからね」
「え?」
「黒板見てなかったの?」
私と桜の間に楓が話に入ってきた。
「あ、楓、おはよー」
「おはよう。私も貴重品係なんだ」
「あ、そうなの!?なんだ、よかった」
「それはそうと、次、なんだっけ」
「国語よ」
桜が短く答えた瞬間、1時間目の開始を告げるチャイムが鳴った。