大切なもの
「どうした!?」
彼の言葉に 私は泣くことしか 出来ない。


朝ご飯に 野菜ジュースをコップに一杯だけ。


お昼も、夜も…
動作ひとつしないで コタツに座りっぱなし。


腕に神経が 執着する。


まるで 蟻の群れが 私の手に這うように…。


手を何度も払うけど 感覚が消えない。


私を見ている彼が 私を抱きしめてくれて…
「大丈夫…」
「大丈夫だよ」


彼が何度も 繰り返して言ってくれたのを 今でも 覚えている…。
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