大切なもの
どのくらい 泣いていたのか 分からない。


彼は ただ私を抱きしめてくれたまま 私の背中をさすって 「大丈夫」って 言ってくれた。


彼が朝食をとった食器のそのままで 私はずっと 座ったまま 動いていなかった。

私を落ち着かせようと 彼がお粥を作ってくれた。


温かくて… 彼の優しさが ぎゅっと詰まったお粥。


味っ気がなくて 食べてる気がしなかった。


でも 忘れてないよ。今でもね…。
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