無口でクールな先輩の彼女
「君…御影さん?」

急に名前を呼ばれて肩がビクッとした。


「はい…そうですけど…」

何ですか?と聞いてみる。


「理事長が、次の休み時間来てって…」


へ?


「どうして今、伝えに来たんですか?もう授業始まって…あ!遅れた!」

もう後30分しかない。


「…先生には俺から言っとく。」

先輩が少しだけフッと笑った気がした。


「…笑った…」

思わず声に出てたみたいだ。


すっごい凝視されている。

「あっ!すいません!失礼します!」


走って途中で気付く。

あ、先輩にお礼言ってない…


落ちた時に助けて頂いたお礼も、先生に遅れた理由を言っといてもらえる事も、お礼をまだ言っていない…


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