ある少女は孤独だった

その日のうちに夏海さんは色々な手続きをしてくれた。

私が住んでたビニールシートの隙間には、もう、すまないんだ

一人じゃない

そう考えると嬉しくてたまらなかった。

私は、一人じゃないんだ


夏海さんは、お母さんってよんでよ!って言って笑った

『お母さん』

私はまた、うまれてはじめてお母さんって言った。

『あなたの名前は……海花!』

『うみ…か!』

私の名前には大好きなうみって文字が入っていた。

優しく包み込むように、ひとりぼっちだった私をずっと見ていてくれた海。
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