ある少女は孤独だった
私には名前がない
ずっと一人だったから。
一人ぼっちで今まで生きてきた。
街に行くと、ボロボロの服をきて、
長い髪をだらしなく下ろした私を見て
みんな、気持ち悪い、近寄るな、呪われている
口々にそう言った。
そんな私をずっと、優しく見守ってくれていたのが海だった。
唯一覚えている小さい頃の思い出。
だれかと、顔は思い出せないけど
私は海にいた。
夏の暑い日差しのしたで、柔らかい潮風に当たりながら、私は遊んでいた。
海はその時から私を見ていてくれた