ある少女は孤独だった
私はどうしてもその少女が気になって仕方がなかった。
家に帰っても、フッと浮かんでくる、少女の悲しそうな顔。
次の日私は、再び同じ商店街へ向かった。
やっぱりあの少女はそこにいた。
そして、昨日と同じように罵声を浴びながらゴミを漁り続けていた。
その少女が立ち去る時に、私はこっそり後をつけることにした。
着いたところは砂浜。
少女は、ビニールシートの小さな小さな隙間に潜り込んで行った。
声をかけようか、かけないか…
迷いに迷ってその日私はついに声をかけられず、家へ帰るのだった。