ある少女は孤独だった

はっと我にもどり、私は少女に声をかけて見ることにした


私が近づいても、何の反応も示さずにずっと、ただひたすら海を眺めている少女に、少し不思議な感覚を覚えながら私はついに声をかけた。

『どうしたの?何をしているの?』

っ!

少女は驚いた顔でこっちを見た後、怯えた表情で

『ごめんなさい…っ』

そう言った。

あぁ、この子は罵声を気にしていなかっ たんじゃないんだ。
やっぱり、あんな罵声を浴びせられたら大人が怖くなるよね

そうおもった。

『私、夏海。あなたの名前は?』

突然自己紹介をした私に驚きながらも、少女は小さな声でこう言った


『名前…ない…。』

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