ある少女は孤独だった
『名前…ないのかぁ…』
そのあとしばらく沈黙した
先に口を開いたのは、私じゃなく少女だった。
『あの、夏海さんは海が好きですか?』
まさか、少女から声をかけられるなんて思ってなかった私は驚きながらも、答えた
『海、大好きだよ』
『ほ、本当?!私も…!』
ぱぁっと明るい表情をして、とても嬉しそうに少女はそう言った。
決して悪い子じゃないんだ
ただ、周りが悪い子みたいな扱いをしていただけなんだ
私はそう実感した