セレクトショップ・ヘブン
あれは15年も前


花を咲かせなくなった私を人間は斬り倒そうとした。


そんな私を守ってくれたのは


五歳の男の子だった。


名前は富山こうだい


中学生まではよく家族でここに来ていたけれど今はもう会うことはない…


それでも私の命の恩人に変わりないのだ。


【どうか私の願いを叶えて!】


「その願い叶えられるかもしれませんよ。」


【え?】


その瞬間目の前に少年が立ち周りは暗闇になった。


「ようこそセレクトショップヘブンへ」


【セレクトショップヘブン?】


「貴方は2つの運命のどちらかを選ぶ事ができます。1つは残り100年を桜の木として生きる未来。もう1つは10日間人間として生き命つきる未来。」


【………】


「さぁ選んでください。」


【私は人間に。彼と同じ人間になりたい!】


「わかりました。では10日後の夜に」


強い風が吹いた


気がつくと私は木の…


いや、自分の根本に立っていた。
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