セレクトショップ・ヘブン
目を開くとそこは暗闇

(死んだのか……)

「まだ死んではいませんよ」

少年が現れて不敵に微笑む

(じゃあここは?)

「セレクトショップヘブンです」

(私は死ぬはずじゃ……)

「確かに!!そのはずだったのですがね。一つ予定を狂わせる事がありましてね」

(それって?)

「富山こうだい彼が願ったんですよ。貴方を消さないでくれ、死なないでくれとね」

(…………)

「それがココで叶えられた。しかしながら貴女の元の体はもうダメでした。」

(どういうことですか?)

「魂である貴女が10日間もいなかったのです。外の体はもう生者の世界では生きていけなかった」

(じゃあ私は……)

「ですから人間になるのですよ」

(え?)

「貴女の記憶はここで全て書き換えられます」

(??)

「富山こうだいさんはこの10日間の記憶を失い。貴女はこれまで生きた全ての記憶を失います。」

(そんなっ)

「貴女は野々山ふうか15歳として生きるのです」

(どうやって?私はどうなるんですか?)

「ここは運命を選択し操る店。このくらい簡単なるのですよ……貴女は貴女自身を忘れ野々山ふうかになるのです。次目が覚める時には貴女は貴女であり貴女ではないのです」

(そんなっ)

「私も貴女のようなケースははじめてです。ですからもしまた会えたなら、特別に私の紅茶をご馳走しますよ」

(はぁ……)

「ではいい人生を」
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