ルッキング・フォー・ラブ ☆リアル・ファミリー☆
(10年前 幸弘の会社前)
よそ行きの服を着た幼い幸と弘の手を引いた遥が、退社時間に壁の陰からビルの出入り
口を見ている。
そこへ幸弘が出て来た。
遥は声を掛けようとするが、そこへ若い女性が駆け寄り幸弘の腕に抱きつき一緒に歩き出
した。
そして左手薬指のエンゲージリングを幸弘に見せる。
笑い合う二人。
遥はその場で凍りついてしまった。
「新田君、婚約したんだ・・・」
遥は声をかけられず、思わず両手に力が入ってしまう。
「ママー・・・」
幸の声に遥は、はっと我に返り両手の力をゆるめ、涙ぐむ。
「痛かった?ごめんね・・・」
そのまま二人を抱きしめる。
「どうしたの?ママ・・・」
しばらくおえつを漏らす遥。
その姿を帰宅するサラリーマン達が不思議そうに眺めて行く。
やがて立ち上がり涙を拭いて微笑む。
「もう大丈夫・・・さぁ、帰ろうね・・・」
夕焼けの中、幼い二人の手をひいて帰路につく遥。
三人の姿が次第に小さくなっていく・・・
「俺の妹じゃないかよ。そいつは・・・」
幸弘は遥の日記を握りしめハラハラと涙を流した。
この瞬間幸弘の心の中で長年凍りついていた女性不信が溶けて無くなった。
その晩、幸弘は幸と弘の寝顔をそっと見つめた後、荷物だらけの和室の布団の上で呟く。
「あいつらは、俺と遥の子供なんだ・・・父親なんだよな・・・俺・・・」
よそ行きの服を着た幼い幸と弘の手を引いた遥が、退社時間に壁の陰からビルの出入り
口を見ている。
そこへ幸弘が出て来た。
遥は声を掛けようとするが、そこへ若い女性が駆け寄り幸弘の腕に抱きつき一緒に歩き出
した。
そして左手薬指のエンゲージリングを幸弘に見せる。
笑い合う二人。
遥はその場で凍りついてしまった。
「新田君、婚約したんだ・・・」
遥は声をかけられず、思わず両手に力が入ってしまう。
「ママー・・・」
幸の声に遥は、はっと我に返り両手の力をゆるめ、涙ぐむ。
「痛かった?ごめんね・・・」
そのまま二人を抱きしめる。
「どうしたの?ママ・・・」
しばらくおえつを漏らす遥。
その姿を帰宅するサラリーマン達が不思議そうに眺めて行く。
やがて立ち上がり涙を拭いて微笑む。
「もう大丈夫・・・さぁ、帰ろうね・・・」
夕焼けの中、幼い二人の手をひいて帰路につく遥。
三人の姿が次第に小さくなっていく・・・
「俺の妹じゃないかよ。そいつは・・・」
幸弘は遥の日記を握りしめハラハラと涙を流した。
この瞬間幸弘の心の中で長年凍りついていた女性不信が溶けて無くなった。
その晩、幸弘は幸と弘の寝顔をそっと見つめた後、荷物だらけの和室の布団の上で呟く。
「あいつらは、俺と遥の子供なんだ・・・父親なんだよな・・・俺・・・」