ルッキング・フォー・ラブ ☆リアル・ファミリー☆
( マンションのリビング )

 幸弘はイライラしながらビールを飲んでいる。

幸はテレビを見ている。

そこへ上機嫌の弘が帰って来る。

「ただいまー!おっちゃん今日はごめんねー。

あー腹減ったー!メシ何?」

幸がそっと声をかける。

「弘・・・」

「え、何?」

怖い顔の幸弘がゆっくり立ち上がる。

「何のつもりだ?」

「え?」

「てめぇ、何勝手に俺のバイクに乗ってるんだよ!」

「だから謝ってんじゃん。」

「謝ってすむか!このバカ野郎!

あのバイクはてめぇの汚いケツを乗せて良いバイクじゃないんだ!

第一お前中型免許だろうが!」

「じゃあ、どうしろってんだよ!」

「もう、限界だ!てめぇなんか出て行け!この野郎!」

幸が口をはさむ。

「パパ!そこまで言わなくても良いじゃない!」

「黙ってろ!幸!」

「何だよ、バイク借りたぐらいで大騒ぎしやがって!

セコイ事言ってんじゃねぇぞ!このジジィ!

おお!出て行ってやらぁ!

なんだ!こんな家!

親父面してんじゃねぞ!てめぇ!!」

弘は玄関を飛び出して行く。

幸が叫ぶ。

「なんで出て行けとか言うのよ!

あたし達、他に行くとこなんか無いの知ってるくせに!

パパのバカ!大っ嫌い!!」

泣きながら自分の部屋に駆け込む幸。

幸弘は深くため息をつきながらソファに沈み込む。

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