リフレイン





再び頭を下げて部屋を出る





ゆっくりとドアを閉めた瞬間

急いである人がいる場所に向かった。









私の探していた人は案の定、暇そうにしていて……






「莉奈(リナ)!ちょっと来て!!」





私は莉奈の腕を掴むと、従業員控え室に素早く入った。






彼女は山本 莉奈


私の高校からの親友で、レ・トワールの社員。

私と蓮司の過去を全て知っている。






「ちょ……どーしたの?青い顔して、、」



血相抱えて莉奈を連れ出した私の様子を見て
只事ではないと察した莉奈が、
私を宥める様に背中をさすってくれる。





「…………がいるの…」



「え?なんて?」



「蓮司が来てるのよ!!!!」







私の切羽詰まった言葉に、
莉奈も表情を固まらせて黙り込み


やがて怒りの表情に変わっていった。







「………もしかして、志崎社長と…?」



「…ぅん、そう……」






「どの面下げて来てんのよ森川蓮司!!
私が今から行くわ!!!!」




完全にお怒りモードに切り替わった莉奈は
本当に蓮司のとこに行って、最悪殴りそうな勢いだ。







莉奈のその姿を見たら、冷静になれた。


「莉奈、やめてよ。
相手は仮にもお客さんだよ?
それに志崎社長は関係ないのに巻き込まれたら大迷惑よ」



私の最もな意見に莉奈は

体の力を抜いて心配そうに私を見た。






「大丈夫、最後まで私がやるわ。
蓮司とは会わなかった事にすればいいのよ」



それでも納得のできない様な顔を浮かべる莉奈の手を握った。




「大丈夫、私を信じて?」



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