いつも近くに
「私のこと、嫌いになったんじゃないの?」

「えっ、何で?」

「だ、だって…会いに来てくれないから。」


私は、抱きしめられたままの状態で涼の顔を見上げる。
っていうか、なんかものすごく恥ずかしいこと言ってるようなきがするんだけど……
気のせいだよね…?


「俺さ、沙羅ちゃんに弟としか見てないって言われて、かなりへこんだ。それに俺、沙羅ちゃんに無理矢理キスしたから嫌われたと思ったし。会いになんていけないよ。」


そんな風に思ってたんだ。
確かにキスされたのは、驚いたけど……
嫌いになったりしないのに。


「ごめんっ…私、涼に会えなくなって、やっと気持ちに気付いたの。」


これは、本当のこと。
涼がいつも本気で言ってくれてたとき、すごく嫌な思いをさしてたと思う。


「許さない。」

「えっ…」


やっぱり、今更だったよね……。


「沙羅からキスしてくれるまで、許さない。」

「なっ…!?」


たぶん、私の顔は、赤くなってると思う。
自分からとか、すごく恥ずかしいんだけど……。

「しなくちゃダメ…?」


やっぱり、恥ずかしいから涼に聞いてみたんだけど…


「もちろん。」


って言われちゃった。
う〜、かなり恥ずかしい……
だって、したことなんてないし。

でも………

私は、覚悟を決めて涼に軽く触れるだけのキスをした。


「ゆ、許してくれる…?」


これで、よかったのかなと思って聞いてみる。


「もちろん。つ−か、可愛い!」


そう言って、涼にさらに力を入れて抱きしめられた。
ちょっと、苦しいけど…


「もっ、は、放してよ〜」


一応、涼の腕の中で暴れてみるけど、涼の腕の力は緩まない。

諦めて涼におとなしく抱きしめられることにした。


「沙羅、愛してる。」


そう急に耳元で言われて……
きっと、私の顔は赤くなっていると思う。


「わ、私も……涼のこと愛してるよ。」


そう言って私は、涼の背中に腕をまわした。



初めて気付いた気持ちだから……
大切にしていこうね。





『大好きだよっ』

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