いつも近くに
「ちょっと沙羅!涼君が告白されるって。」


何度目か解らないため息を吐いた時、いきなり由香は、そう言った。


“告白”その言葉を聞いて、すごく嫌だと思う。

涼に告白なんてしないで!
そう言えたらどんなけいいだろう。
何度もそう思うけど……


「沙羅、ほんとにこのままでいいの?」


そう言って由香は心配そうにみてくる。


「いいの。私が何か言う必要なんて無いし。涼には、彼女いるもん。」


私が何か言ってもきっと何も変えられない。
もう涼のことは諦めるしかないよね…?

「沙羅、好きならちゃんと言わないと相手には伝わらないんだよ?」


確かにそうだけど……でも…


「もう一度聞くけど、他の子に盗られてもいいの?後悔しない?」


後悔なんて絶対すると思う。
今もしてるもん。


「そんなの嫌だ…ありがと、由香。私、行ってくる。」


涼の隣にいたい。
そう思った瞬間、私は由香にそう言って教室を飛び出していた。


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