誘惑上等!
---------このひと、計算じゃないって分かるけど。天然で小悪魔しやがるよな。
剥き出しになった理沙の太腿の間。キャミソールとお揃いのショーツも、きわどい丈のキャミの裾からちらりと覗いていた。そのぎりぎりのところで見える感じにも、今すぐ脳みそが弾けてしまいそうなくらいひどくそそられてしまう。
「……理沙ちゃんのこれって勝負下着ってやつ?」
指でちょいちょいキャミをひっぱりながら訊くと、理沙は恥ずかしさを誤魔化すためかふくれっ面になって「ちがう」と俯いた。
口ではつれないことをいうけれど、理沙の着ているかわいいのにちょっとセクシーな下着はあきらかに男の目を意識したチョイスのものだ。そんな姿を自分から脱いで晒しておいて、それでもまだ素直になれずにいる理沙にS心が芽生えてくる。
「いつもと同じ。べつに普段通り」
「へぇ。じゃあ理沙ちゃんってさ、ダルダルのくたびれたスウェットの下にいっつもこんなん着てたんだ?」
「……そうだって言ってるでしょ。こんなの普通の、いつも着てる適当なインナーだよ」
「じゃあ今までも、俺がもし理沙ちゃん脱がせてたらいつでもこうゆうの着ててくれたんだ?」
理沙はその指摘に黙り込んでしまう。
「それって俺のためだよな?だとしたらまじエロいんですけど。……そんなに俺に見てもらいたかったの?」
キャミソールの肩紐に指を引っ掛けて、それを脱がすように下げてみたり、焦らすように上げて元の位置にもどしたりしながら意地悪く訊くと、理沙はいつになく強気な大悟の態度にうろたえて目を揺らす。
理沙の方こそ自分にあまり興味がないんじゃないかと思うくらい、いつも素っ気無かったのに。
恋愛経験が乏しく、恥ずかしがりやゆえにいつもツンツンしてた理沙が、いつもダサいスウェットの下にこんな色っぽいものを忍ばせてひそかに自分を意識していてくれたのかもと思うと、そのいじらしさがかわいくてかわいくて。ほんとうにもうかわいすぎて。
「実はいつも、俺のこと誘惑してくれるつもりだったんだ?」
「……うるさい……っ」
つい、いじめたくなってしまう。