2番目に好きな人との結婚


「治るまでは お前に会わない。そう思っても…会いたかったんだろうな…お前の声 聞きたかったんだろうな…そこの売店のおっさんに聞いた。よく このベンチに座って その正面の公衆電話をずっと見てた…って…」


…澪が 顔を上げて 電話を見ている…

「…私に…電話しようとして…?」

「ああ… でも いつも座ってるだけで 電話しないから…ある日 おっさん聞いたんだって…なんで電話しないんだ?って…
そしたら和也 今日はガマンして 明日かけようって思ったら 明日まで頑張れるから…って…明日 明日で 繋いでたんだ…体調が悪い日でも 来てたって…フラフラしながら ここに座ってたって…」

…和也…すごいよ、お前は…

「すごく体調が悪い日に…おっさん 電話して 声聞くだけでも励みになるから、無言でもいいから かけろって言ったら…今は 声聞いたらそれだけで 満足して俺 死んじゃうって…そしたら…彼女も死んじゃうから…だから治さなきゃだめなんだって…言ってたって…」
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