ユビキリゲンマ
その日は一日授業が身に入らなかった。
授業どころではなかった。
クラスはどんよりとした空気に包まれていた。
放課後もその空気は続いた。
優子と二人だけの帰り道はなんとも寂しい。
どちらも言葉も交わすことなく無言で歩いた。
右に曲がると優子の家がそろそろ見える曲がり角の手前で二人は立ち止まった。
何か声が聞こえる。
「♪ユービキリゲーンマーウーソツーイタラハーリセンボンノーマス…」
聞いたことのある声。
それはだんだんと近づいてきた。
黒い影が曲がり角を曲がった。
「ユービキリゲーンマーウーソツーイタラハーリセンボンノーマス…」
「ユービキッタァ♪」
全身黒色のマントをズリズリと引きずりながら、その人は近づいてくる。
私達を見てニヤリと笑うその人の頬にはえくぼ。
じゃ、この人は…。
彼女は優子を捕まえた。まだ歌っている。
優子が「ヒッ!」と小さく悲鳴をあげた。
見ると…その人の手には大きな大きなカマ。怪しげに光っている。
次の瞬間、目を疑った。
「アナタガワルイ。アナタガ…
ヤクソクヤブッタカラ。
ヤクソクヤブッタヤツハ
オシオキ。」
そう言って優子の小指を切ったのだ。
これじゃ私まで殺られる!
そう思うと、恐怖がわいてきた。
私は…私は…
泣き叫ぶ友達を置いて逃げた。
授業どころではなかった。
クラスはどんよりとした空気に包まれていた。
放課後もその空気は続いた。
優子と二人だけの帰り道はなんとも寂しい。
どちらも言葉も交わすことなく無言で歩いた。
右に曲がると優子の家がそろそろ見える曲がり角の手前で二人は立ち止まった。
何か声が聞こえる。
「♪ユービキリゲーンマーウーソツーイタラハーリセンボンノーマス…」
聞いたことのある声。
それはだんだんと近づいてきた。
黒い影が曲がり角を曲がった。
「ユービキリゲーンマーウーソツーイタラハーリセンボンノーマス…」
「ユービキッタァ♪」
全身黒色のマントをズリズリと引きずりながら、その人は近づいてくる。
私達を見てニヤリと笑うその人の頬にはえくぼ。
じゃ、この人は…。
彼女は優子を捕まえた。まだ歌っている。
優子が「ヒッ!」と小さく悲鳴をあげた。
見ると…その人の手には大きな大きなカマ。怪しげに光っている。
次の瞬間、目を疑った。
「アナタガワルイ。アナタガ…
ヤクソクヤブッタカラ。
ヤクソクヤブッタヤツハ
オシオキ。」
そう言って優子の小指を切ったのだ。
これじゃ私まで殺られる!
そう思うと、恐怖がわいてきた。
私は…私は…
泣き叫ぶ友達を置いて逃げた。