ユビキリゲンマ
「あ!そう言えばね!駅前に可愛い文具店ができたの!もうすぐ高校だからさー、今日新しい文具買いにいかない?」
と優子。

「さんせ~♪」と華。

黙っている私を二人が見つめている。

「別に文具なんてそこら辺に売ってるのでよくない?(笑)デザインがついててもついてなくても同じだし。」と私。

二人が 「「分かってないなぁ」」と私に呆れている。
優子なんて、可愛いもののよさをスピーチしている。

そんな、二人の言葉は私の耳には入らない。
だって、今素晴らしいことを思い付いたのだ。この方法で、あの子と仲良くなれるかも…。

どんなの買う?と話し合っている二人を置いて、私は教室の隅の席で本を呼んでる女の子の所へ向かった。

橋本 若葉ちゃん。
物静かで少し恥ずかしがりやで私よりうーんとうーんと女子力の高い清楚な女の子。

私は、まだ一度も話したことがないけれどもこの子が好きだった。
この子は女子力が高かったが、華のようにチャラチャラとした可愛さではないのだ。
可愛さの中に清楚さがある。
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