滅びの彼方
小国、デヴァーデン国。
大国の宰相である私がこの国に赴いたのは他でもない。
我が主ザルバ王より、とある重要な任務を命じられたからだ。
その任務とは、この国を、
“滅ぼす事”。
残念ながら先の同盟国会議で、我が主に盾突いたのが運の尽きだった。
ザルバ王は短気だ。
それはどの国の王も承知の上で、だから今回の会議も当たり障りなく終わると思っていたのだが…
このデヴァーデン国の国王。
名をローレンツ=オーギュスト・イルデン。
普段は何も言わぬ小国の王の彼が何故か今回に限って、突然、我が主の傲慢な態度に一言、ものを申してしまった。