滅びの彼方
* * *
晴天の下、カナルキトニスの首都カルトスはいつもに増して賑わっていた。
教会は人が溢れかえり、教会前にも人が詰めかけている。
そんな中、戴冠式は着々と行われ、私は真紅の絨毯の上をゆっくりと進んだ。
大主教から王笏と宝珠を授かり…跪く。
ついに、この国は変わる。
長い時を経て…私も変わったと信じている。
ゆっくりと頭上に重みが加わったのを感じ…私は静かに人々に向き直った。
頭上に輝く王冠。
嗚呼、…この輝きに恥じぬ国を築くために。
「これより、リチィル・シェゼータを、カナルキトニス国の新王とする。」