滅びの彼方

まぁそれも仕方がない。

同盟国とはいえ、我が主の事だ。

こんな小さな国など眼中にない。

そもそも今回の会議で失言さえしなければ、何も目立つこともなく、半分忘れ去られている状況にあったのだ。


そんな小国の事を、熱心に調べている方がおかしい。

というのが一般論に過ぎない。


だが、いかんせん。

王の命とあらば滅ぼさないわけにはいかない。

私とて、今まで何十の国を滅ぼしてきた。

不本意だが、鬼才、とも言われている。


なんとしてでも王の期待に応えなければ。

でないと私事だが、首も危うい。

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