お向かいさんに恋をして
今日は約束の一週間の最終日。

２人はいつもよりじっくり時間をかけて食べていた。

「今日も旨かったぜ、さくら！」
「ご馳走様っ！　さくらちゃん、」

ほぼ同時に食べ終わった二人がかぶりぎみにお礼を言う。

「美味しく食べてくれてありがとうね」

空のお弁当箱を片付けながらここ一週間を振り返る。

初日の朝、安達くんにお弁当を手渡すと「マジでか！」と喜んで受け取ってくれた。

私ときなこちゃんがいつものようにお昼、カフェに向かうと安達くんがやって来て、何故か３人一緒に食べた。

朝渡しておいたし、別にわざわざ一緒じゃなくても良いのに。
そもそも安達くんとお昼時間を共有したことなんてこれまで一度もなかったのに。

きなこちゃんも不思議そうな顔をしていたけど、特に気にするでもなく安達くんを受け入れていた。
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