お向かいさんに恋をして
私がお弁当を作ってお昼を一緒に過ごしたことで、ちょっとは二人の進展に役立ったかな?
だとしたら嬉しいなぁ。

安達君、さっきイケメン店員さん見てたら面白く無さそうな顔してたし、ヤキモチ、やいたのかなぁ……。

「ふふっ……」

「? さくらちゃん、何か面白い物でも見つけたの?」

思わず笑いだした私を不思議そうに見つめるきなこちゃん。

「なんでもないよ、思い出し笑い?」

「ふーん?」

きなこちゃんは小首を傾げた。

私の恋も実るといいけど、二人の恋も実るといいなぁ。

それにしても、お互い片想いなんて、もどかしいなぁ。

きなこちゃんは私に「奥手だねぇ」なんて言うけど、きなこちゃんの方がもっと奥手だよ。仲良いし、チャンスは沢山有るだろうに。

じぃっときなこちゃんを見つめていると、

「何やってんだ? にらめっこか?」

と声をかけながら、安達君が料理を持ってやって来た。
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