お向かいさんに恋をして
「えっ?! 
どうしたんですかっ?!」

私は慌てて留奈さんのいる場所まで階段をかけ下りた。

「どうしたんだろう……」

留奈さんが指を指す方を見る。
……!!

いつもきっかりとスーツを着こなして、出勤も帰宅もほぼ同じ時間で、飲み会が苦手だと言う秋中さんが……!

赤い顔でスーツを着崩して、私たちの階の一つ下の非常階段で崩れるように寝入っていた。

イメージと違いすぎて衝撃的だった。

さっきは急いで階段登ってたから、気付かなかった。

「酔ってる……んだよね?」

「そ、そうみたいですね……」

少しの間、2人でいつもと違う秋中さんに驚いて見つめて動けなかった。

それからハッと我に返った私たち。
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