お向かいさんに恋をして
「さくらちゃん、どうしようか?
このままじゃダメよね……」

「あ、えっと……?
と、とりあえず話しかけてみます、か……?」

私は屈みこんで、秋中さんの肩をポンポン叩いた。

「秋中さん、秋中さ~ん。
大丈夫ですか? お部屋まで歩けますか?」

「…………う、ん……?」

問いかけに一応反応はしたものの、動こうとしない。
うっすらと目を開けたけど、また閉じてしまった。

「秋中さん、秋中さんったら!」

肩をポンポン叩いていた力を、ボンボンに変えてみる。

すると一瞬眉間にシワを寄せた秋中さんが再度目を開けた。

「良かった、起きたんですね秋中さん。さ、お部屋に帰りましょう?

……って、え?」
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