お向かいさんに恋をして
「やぁ。波江さんも来てたんだね」

「あ、はい。友達に誘われて……。
秋中さんこそ……」

どうしてここに?
どうも、地域の高校の文化祭と、よその土地から来た社会人が結び付かない。
見たところ誰かと一緒って訳でも無さそうだし。

「僕かい? 僕はここの校長先生と知り合いでね。是非遊びにおいでとお誘い頂いたものだから」

おっと意外なお返事。
なんで校長先生?
ますますどうして? だよ。

「校長先生とお知り合い、なんですか……?」

頭を掻きながら、ははっと笑って頷く秋中さんは今日も爽やかだ。

「って言っても仕事関係のね。僕ここのエリア担当で、学用品卸してるから」

へぇ、ちょっと意外だけど、色々納得した。

秋中さんの情報をゲットしちゃった。
仕事は学用品の卸業で、この学校の校長先生とお知り合いなんだぁ。

って、今それどころじゃなかった。
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