お向かいさんに恋をして
「秋中さん、たこ焼きとドリンク、どこで買いました?
買い直して来ますから、教えて下さいっ」

「いいって。
さっきも言ったけど僕もボンヤリしてたし、事故だよ事故」

秋中さんはそう言って笑うけど、それじゃあ私の気が済まない。

「いーえっ! 駄目ですっ!
さ、どこですか?」

私の気迫に押されたのか、秋中さんは仕方ない、とでも言いたげに苦笑いを浮かべた。

「波江さんって意外に頑固な一面もあるんだね~。
僕はあんまり女性にお金を払わせたくないんだけどね」

そんな額でもないしね、なんて頭をかく秋中さん。

女性にお金を払わせたくない……。
女性に……。

自分自身が女性扱いされてることに、思わず頬が火照る。

やっぱり大人の男性ってスマート。
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