お向かいさんに恋をして
まともに同級生の男子と付き合ったこともなければ、遊びに行くときは必ず男女友達グループで、おまけに割り勘。

女性扱いどころか友達扱いで、女の子扱いすらされてこなかった私には、そんな秋中さんのさりげない一言にすら、心ときめく。

女性、かぁ……。

って、いけないっ!
また自分の世界に入り込んじゃうところだった。

「こういうことはきちんとしておかないと」

「そっか。じゃあお願いしようかな?

すぐそこのたこ焼き屋さんで、たこ焼き1パックと緑茶を2つね」

やっと折れた秋中さんに「はいっ!」と返事をして、近くにあったゴミ箱に袋を捨てて、急ぎ足でたこ焼き屋さんに向かう。

「あの、たこ焼き1つと緑茶を2つ下さいっ」

「はいよ、作りたてっ」

「ありがとうっ!
……って、えぇっ?!」
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